
里見甫 ~満洲の阿片王とは何者だったのか~ 前編
1931年9月18日。柳条湖事件に端を発して満洲事変が勃発、関東軍によって満洲全土が占領され、関東軍主導の下に1932年3月1日に満洲国が建国されます。この満州国は日本人・漢人・朝鮮人・満洲人・蒙古人などによる”五族協和”と”王道楽土”の崇高な理念を掲げて建国に至ったものですが、いつの時代の国家の崇高な理想の裏には必ず影があるものです。”東洋のアメリカ”を目指した満洲国を裏で支えていた阿片産業を一手に引き受けた里見甫とは何者だったのでしょうか?今回は”阿片王”と呼ばれた男が満洲の地に躍り出るまでを紹介したいと思います。