
沢村栄治 戦場に散った悲運の大投手
1944年(昭和19年)12月2日、太平洋戦争の真っ只中、海外の戦地へ陸軍兵を輸送する日本の海軍の船が、アメリカの潜水艦の攻撃を受け沈没しました。あっという間のことで、乗組員と兵たちはなすすべもなく海の藻屑と消えてしまったのです。屋久島沖西方でのことだったようです。 その中のひとりが、不世出の大投手、沢村栄治でした。そのときわずか27歳、3度目の応召のときでした。なんとも残念な話です。同じく戦前から巨人軍のエースであった同一学年のヴィクトル・スタルヒン投手は沢村と同じく1934年にプロデビューし、その後1955年までプレーを続けています。平穏な時代であったなら沢村栄治も同様に長くプレーを続け、日本の野球史にどれだけの足跡を残したかと思うと惜しまれてなりません。今回は悲運の大投手、沢村栄治についてお伝えします。