セーラームーンが世界的に大ブレイクしたワケ

セーラームーンが世界的に大ブレイクしたワケサブカルチャー

美少女戦士セーラームーン』(びしょうじょせんしセーラームーン)は、武内直子による日本の漫画および、それを原作としたメディアミックス作品。講談社の少女漫画雑誌『なかよし』で1992年2月号から1997年3月号まで連載された。コミックスの累計発行部数は世界で約4千万部を突破している。

「月に代わっておしおきよ!」の名台詞と共に90年代の少女漫画の金字塔として社会現象ともなったセーラームーンですが、その人気は国内だけにとどまらず世界へと広がり現在も多くの女性に支持されています。また欧米での「OTAKU」文化はこのセーラームーンから始まったとも言われており、日本のアニメーション産業を拡大させた立役者という面も持ち合わせています。今回はそんなセーラームーンが何故ここまで世界に受け入れられたのかに迫っていきたいと思います。

北米での初展開

80年代まで日本のアニメ、漫画はあまり海外では受け入れられていおらず「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」「ベルサイユのばら」と言った一部のアニメ作品はヒットしましたが、その多くが海外が舞台の作品であったため「日本のアニメ」という認識は薄いものでした。
その後90年代になり1995年にアメリカで初のセーラームーンの放映が始まるものの、放送時間が平日の早朝であったためか思うように視聴率が取れず打ち切りとなってしまいます。

カートゥーン・ネットワーク

しかし、日本の熱烈なファンや少数の北米のファンはネットなどを通じてセーラームーンの放送を再開すべく地道な活動を行います。また日本の東映アニメーションもセーラームーンを強く売り込んだのが功を成し、1998年にアメリカ大手のケーブルチャンネル「カートゥーンネットワーク」内の夕方での放送が決定。これを機にセーラームーンは一気にアメリカで人気を獲得することに成功します。

何故ここまで受け入れられたのか?

「憧れ」の存在となったセーラームーン

アニメ放映後もコミックスやメディア展開などにより北米での人気はまさにうなぎ登りでした。
セーラームーンがアメリカで人気となった理由の一つとして「一般的な女の子が主人公で変身して戦うことが新鮮であった」というものがあります。確かにアメリカにも「ワンダーウーマン」などの女性のスーパーヒーローがいますが、セーラームーンと比較すると「一般的な女の子」とはかけ離れているように感じます。

一般的な変身ヒロインのイメージ

他にも理由として「戦闘要素と恋愛要素が織り交ざり友情と冒険、現代の生活を送りながらも古代の不思議な力やスピリチュアルな存在が登場する。」「各キャラクターの個性豊かな性格。そして、かわいさと強さを同時に見られる上、主人公たちが精神的に成長していくのがリアルだった。」「星や月といった少女たちに身近なマークをデザインにあしらい、女の子が変身してかわいいコスチュームと素敵なアイテムで悪と戦うのが魅力。」などが挙げられています。
またこれはスペインでセーラームーンが放映された際の逸話なのですが、日本の流通関係の仕事に就いていた人物がお土産に廃棄予定のセーラームーンのおもちゃをスペインのある村に持って行くと村中の老若男女がおもちゃに群がり争奪戦が繰り広げられたと言います。

世界中の女性たちに影響をあたえる

「KAWAII」は世界を救う!

セーラームーンのアニメは北米以外でも放送されるようになり、その人気は瞬く間に世界各国に広がりました。また視聴者の女性たちの中にはセーラームーンを見たことによって自身の人格形成に大きな影響を与えたという声もあります。例に挙げると…
「肌の色が違うせいで居場所がないと思うことがあったがセーラームーンが勇気を与えてくれた」
「強い女性のロールモデルを見せただけでなく、私を星に関する仕事に導いてくれた」
「幼い頃に孤独を抱えていたときに勇気をくれたのが正義のヒロイン・セーラームーンだった」
などの意見があります。
またセーラームーンは「女性の権利向上のシンボルである」との意見もあり、もはやアニメの枠を超えた「一つの象徴」とも捉えられてもいたのです。

おわりに

セーラームーンの人気は現在も顕在であり公式ファンクラブには100カ国以上の会員が在籍しています。また2014年には新作が公開され新たなファンを獲得することに成功しており、2021年には新作映画も公開されています。他にも最近ではセーラームーンをモチーフにした衣服アクセサリー化粧品と言った商品が続々展開され、かつてアニメを見ていた年代の女性を意識したマーケティングが行われています。

今も新しいファンを獲得している

セーラームーンのように時代を超えて愛され続ける作品のことを「エバーグリーン(不朽)」というそうですが、筆者としてもこの作品が今後も日本のアニメーションを牽引する「エバーグリーン」であって欲しいと思っています。

おまけ

1995年にアメリカで放映が始まった第1弾のセーラームーンが失敗に終わったことを受けて製作された幻の「アメリカ版セーラームーン」です。

当初アメリカ側は放送時間帯に問題があるとは思わず日本風のテイストに問題があると考えていたため作成されました。しかし上記の通り「カートゥーンネットワーク」内にて放送したところ大人気となったため御蔵入りとなってしまいました。もしこの”アメリカ版セーラームーン”がヒットしていたらオリジナルのセーラームーンとどう比較されていたんでしょうか?
こういう考察もなかなか面白いと思うのですが…。けどやっぱオリジナルがいいか(^^;)

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