納豆の歴史 【日本古来の発酵食を調べる】

納豆の歴史 【日本古来の発酵食を調べる】健康・心と身体

納豆(なっとう)は、よく蒸した大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品である。菓子の甘納豆とは種類が異なる。 日本固有と思われがちだが、類似の食品ものは様々な地域に存在しており、健康食品としても注目されている。

日本人に馴染み深い食べ物「納豆」。納豆は好き嫌いが分かれるものの、日本人の中では納豆が好きな人はとても多く、味だけではなく健康にも良いので日本の朝食でよく食べられています。
そんな納豆ですが、歴史を探っていくといろいろな諸説が実はあるのです!また、納豆といえば日本の食べ物というイメージが強いですが、海外でも納豆が食べられており、国ごとに特徴がちがうのです。今回は納豆の歴史や世界の納豆を知って、馴染み深い納豆について詳しくなっていきましょう。

納豆の歴史は弥生時代から?

農耕が発達した弥生時代

日本では古くから納豆が食べられてきました。子供の頃から朝食で出てきたり、馴染み深い食べ物ですよね。納豆を一般庶民が日常的に食べるようになったのは江戸時代からとのことですが、納豆の歴史の始まりには諸説あるのです。

納豆の起源はいまだに謎が多いのですが、弥生時代から偶然が重なって納豆が生まれてという説があります。弥生時代から大豆は食べられてきましたが、大豆をそのまま食べるには硬すぎるので、当時から茹でて食べられてたと考えられています。

藁に包まれた納豆

また、弥生時代には家の床に稲ワラが敷かれていました。稲ワラには納豆菌(枯草菌 こそうきん)が多く存在しており、湿気と暖かさを好む納豆菌なので茹でた大豆さえあれば納豆が出来上がるのです。

つまり、弥生時代に茹でられた大豆が何かの拍子に家の床の稲ワラに落としたり、保存していたりして納豆が生まれたという説なのです。偶然が重なって納豆が出来上がり、食べてみると美味しくて納豆が作られるようになったということが納豆の歴史の始まりと言われています。

平安時代の武将「源義家」が広めた説

八幡太郎と名高い源義家

弥生時代から長い年月が経ち、平安時代の後期の武将「源義家」が納豆を広めたという説があります。武将が戦いに行くときは、軍の兵糧を用意して持っていきます。その中に煮豆があり、稲ワラに包んで馬にのせて移動していたのです。

納豆菌が繁殖するには温度が大切ですが、馬の体温で煮豆に納豆菌が繁殖し、糸を引く納豆が出来上がったと言われています。源義家が糸を引く納豆を食べてみたら美味しくて広めたということなのです。

大豆は古来から貴重なタンパク源であった

他にも、聖徳太子が馬の餌として煮豆を与えていたが、余った煮豆を捨てるのがもったいなくて稲ワラに包んで置いておいたところ、糸を引く納豆が出来上がったという説もあります。

伝説の域を出ない説ですが、共通して言えることは偶然が重なってできた食品ではあるということです。

日本人に愛される理由

江戸時代の醤油職人 ※職人醬油様より

起源に謎が多い納豆ですが、一般庶民が日常的に食べ始めたのは江戸時代からで、醤油が手に入りやすくなったことから納豆をよく食べるようになったと言われています。

納豆のお味も美味しいですが、何より栄養満点でバランスがよく、5大栄養素が全て含まれる食品であり、昔から栄養満点な納豆が愛されてきた理由はその効果にあります。

納豆の主な栄養素は、

・タンパク質:筋肉や臓器を作る働き

・ビタミンK:血液凝固する働き、骨を丈夫にする働き

・炭水化物:エネルギー源

・脂質:エネルギー源

・ミネラル:骨を作る働き

・食物繊維:腸内環境を整える働き

納豆にはこのような栄養素や効果があるので、日本人の朝食として親しまれているのです。

納豆に似た海外の食品

実は、日本だけではなく東アジア周辺にも納豆に似た食べものが存在します。納豆好きの方は一度食べてみても楽しいかもしれませんね。それではいくつかの食品をご紹介します。

・インドネシアの「テンペ」

バナナの皮に包まれたテンペ

インドネシアは宗教的にお肉をあまり食べません。全く食べない人も多く、そんなベジタリアンに愛されている納豆が「テンペ」です。ワラではなくバナナの葉で包まれています。

テンペは大豆を発酵させた食品ですが、お肉のようだと言われており、インドネシアだけではなく他の国でもベジタリアンに愛されている食品なのです。テンペ の特徴は、

・日本の納豆のような匂いはあまりしない

・香りが少ないので料理に入れやすい

・納豆特有のねばねば感が少ない

テンペは日本の納豆とは少し違います。日本では白米の上に納豆をかけて食べたり、そのまま食べることが多いですが、インドネシアのテンペはお肉の代わりに料理に使われることが一般的でそのまま食べることは少ないのです。

・中国の「トウチ」

市販品の様々なトウチ ※wikipediaより

中国の納豆「トウチ」は、黒豆を発酵させたものです。調味料として使われており、日本のスーパーでも取り扱いがある所が増えてきているようです。トウチの特徴は、

・黒豆を使っているため見た目が真っ黒

・調味料として使われている

・塩や麹を加えて発酵している

・そのまま食べると塩辛い

トウチは中国で刻んで炒めもの料理に使われることが多く、日本人が想像する納豆とは全く違う感じがします。炒め物に使うことでコクが出るようなので、健康的ですし、是非見かけたら購入してみてください。

・ミャンマーの「ペーボッ」

袋詰めされたペーボッ ※ロコタビ様より

ミャンマーでは納豆料理が一般的で、納豆をそのまま食べるだけではなく焼いたり煮物にしたりなど料理して食べているのです。ペーボッの特徴は、

・納豆を潰して煎餅のような形にして干して保存する

・日本の納豆と違い糸はひかない

・香りは納豆に近い

これらの食品をみてみると、日本の納豆とは違うもののような感じがします。調味料として使っていたり、納豆を煮物に使う国もあるとは想像し難いですが、なかなか発酵食の魅力は深いですね。

おわりに

美容と健康に是非!

納豆の歴史は諸説ありますが、現在では日本人の朝食に欠かせない食品となりました。
近年では、欧米でもその栄養価の高さから注目されるようになり、少しづつですが普及していってるようです。もし読者の方で最近、食生活に偏りがあると思われた方がおられましたら、ぜひとも納豆を取り入れて、食生活の改善と免疫力の向上に努めてみてはいかがでしょうか?

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